こじらせ男子の橘くんはワケありでした。


橘くんはあっさりと

私に背を向けて歩いていく。


「ははっ、ほんとに興味ないんだね!勉強頑張って~!」


私は振り向いて会釈する橘くんに手を振った。


─何だかつかめな子だな。


今まで出会ったことのないタイプの子。


どこか人生に冷めているような、

どこか寂しそうな─。


橘朔夜。


君のことをもっと知りたい。


無意識にそんなことを思った。

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