心臓外科医になって帰ってきた幼馴染の甘くて熱い包囲網
このドキドキは…
体調が悪いときも、泥棒に遭遇した時も、裏切られてひどく落ち込んでも、すぐに助けてくれるのは駿介以外にいない。

いつも見守ってくれる大きな胸に、いま、心だけでなく体も、飛び込んでいこうとしている。

いつの頃からか、紗知子はこうなる時を待ち望んできたのかもしれなかった。

心臓が、トクトクと早い鼓動を打ち始めた。

「紗知子、大丈夫?すごいドキドキしてるみたいだけど」

胸と胸が重なり合い、紗知子の鼓動が駿介に伝わった。

「ドキドキしてるよ。でも、これは病気のせいじゃないよ」

紗知子は腕を駿介の首に回した。

「このドキドキは…駿ちゃんのせいだよ?」


今ならわかる。このドキドキは、遼と名乗った男といた時の、不安と恐怖を伴う発作とは違う。

───私は今、駿ちゃんに、ときめいている。

そっと服を脱がし合い、熱くなった互いの肌に触れあった。
指を絡めあい、吐息で頬を染めあいながら、ゆっくりと、優しく一つに繋がりあった。
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