【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

『迷惑だったら、もう誘わない方がいいかなーって思ったんだけど』

 やっぱり、離れようって思うよね。

「……うん……私は……迷惑とかじゃなくて……」

 でも、尾瀬君と友達でいたいんだよ。



『月ちゃんの事まだ好きだけど……俺と友達でいてくれる?』



 ドキーンとした。
 こんな、ハッキリ言われて、びっくりして、ちょっとドキドキした。

「……えっ……あ、うん。お願いします……」

 数秒フリーズして、やっと答えた。

『悩ませてたら……ごめん』

「いえ……私がワガママでごめんなさい、だからちょっと悩んだけど……ごめんなさい」

『……俺のせいで悩ませたりして……ごめんね。せっかくの誕生日なのに』

「ううん、私が悪いし……他にも色々あったんだ」

『そうなの? 大丈夫?』

 尾瀬君、私、失恋しちゃったの……かな?
 吸血鬼、人間にしたら二十歳なのにさ、もう奥さんいたなんて思わないよね。
 でも、その人はもう亡くなってて……。

 でもこの想いは消えない。
 まだ、まだ好きだもの。
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