【完結】私とコンビニ吸血鬼~春夏秋冬、ピュアな初恋片想い~

 お母さんは、今お金を稼いで何が欲しいの?
 理由を言えば、買ってあげるって……。

 お母さん、お金じゃ買えない価値があるの。

 レジの向こう側の吸血鬼の隣は、お金じゃ買えないの。

「大丈夫?」

「ひあぅ!?」

 吸血鬼がいきなり隣にいた!
 いや、私が一人で考えてボーっとしてたんだ。
 主婦の人も、もう忙しそうに出来上がったアメリカンドッグを出してるし。

「びっくりさせてごめん! こんばんは、何か探してた?」

「あ、こ、こんばんは! バイト募集してるんですね!」

 あっ……心の声が暴走しちゃった!?
 どうして、こんな事っ。

「ん? そうなんだよね~今、人不足でね~僕も今日は朝から朝まで」

「え? 今日の朝から明日の朝までですか?」

「そう、24時間勤務」

「だ、大丈夫なんですか」

「吸血鬼だからね~」

 ……吸血鬼だって、疲れちゃうし……。
 大丈夫かな。

 働きすぎだよ。
 でもずーっと働いてるんだから、恋人はきっといないよね?

 恋人と会う時間もなさそうだもんね……?

「お休みあるんですか? ……夏休みとか」

 長いお休みはあるんだろうか?
 もし、お休みがあったら……ドキドキ。
 
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