チョコより甘い恋を。
椎菜&麗眞
「これ、麗眞(れいま)に。
今年はガトーショコラにしたよ!

後で食べてね」

バレンタインデー当日。

朝から麗眞の屋敷にお呼ばれしていた。

麗眞の部屋のデスクには、無数の紙袋があった。

「殆どがメイドや執事から。

姉さんからの義理チョコも1つだけあるけど。

俺は、椎菜(しいな)だけから貰えればそれで良かったのに」

私の頭を何度も撫でながら、そう言ってくれる麗眞。

嬉しいけど、何だか複雑。

ぎゅっと麗眞に抱きつく。

「椎菜。

朝から、俺をどうしたいわけ?

責任取ってくれるの?」

ズボンの上からでも主張する膨らみに、そっと触れる。

「しばらく顔見れなかったし、寂しかったもん」


季節が変わり、麗眞と離れても寂しくないように。

私自身が、麗眞のいない環境に慣れたかった。

だからこそ、会いたい気持ちに蓋をして、なるべく会わないようにしていた。

今日くらいは、思いきり麗眞に甘えても、いいよね。
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