愛を知らない少女は、最強のイケメン生徒会長に溺愛される(旧:愛を知らない少女は、最強のイケメン御曹司に溺愛される)



※※※


4限が終わり、私は校舎裏に向かう


あれ、誰かいる??


そのスラッしたシルエットはもしかして、、、


「一ノ瀬先輩?」


私が名前を呼ぶと、先輩は驚いたように振り向いた


「美奈!!」


彼は嬉しそうに微笑んだ


ドキン


何故か心臓が速いスピードで動いている


せ、生徒会長と話すから緊張しているのか


「一ノ瀬先輩、生徒会長だったんですか?」


「ああ、そうだ」


「ああ〜すみません!先輩と知らずに失礼な態度を取ってしまいました」


「全然大丈夫だ、嬉しかった」


嬉しい?


ただ無理やり手当てしただけなのに、不思議な人だなぁ


「それより美奈、昼食を食べよう」


先輩は手に下げている袋を持って言った


「せ、先輩とですか?」


「だめか、、、?」


グッ


そんな顔で言われてしまうと、、、


「い、いいですけど」


「ありがとう」


グッ


これが、イケメンの笑顔、、、


「ところで、美奈は今日何を食べるんだ?」


「きょ、今日は、、、お米と梅干しです」


先輩はとても驚いたような顔をした


「そんなんで足りんのか?」


「たり、ます、、、
 いつもこんなのばっかりなので」


先輩は生徒会長だしお金持ちなはずだから、きっとこんな貧乏のお弁当にびっくりしただろう


私と先輩は、別世界の人だから


「そ、それより、一ノ瀬先輩の今日のお弁当は何なんですか?」


「ローストビーフだ」


「ロ、ロロロローストビーフ!?」


あ、あの、テレビでタレントとかがよく食べてるあの???


超美味しそうなお肉ぅ!?


たしかに、先輩は豪華なお弁当なんだろうとは思っていたけど、ロ、ローストビーフぅ!?


「フッ」


先輩は急に笑い出した


「な、なんですか?」


「いや、思っていることが顔に出ているなと思って」


「な//」


ほ、欲しそうにしてたのバレた??


「一口食べるか??」


た、食べていいんですかぁ??


「は、はぃ〜!!!」


先輩は大きくて高級そうなお弁当箱を開けた


はわわ〜〜


匂いまで美味しいぃ!!


「口開けて」


「へ?」


パク


「お、おいしい!!!」


口の中でとろけるお肉が、た、たまらぁーん!!


って!!


そうじゃなくて!!!


「い、今のって、、、あ、あーんじゃ、、、」


「うん?だめか?」


「だ、だめじゃないですけど、、、」


は、恥ずかしい!!!


私今きっと、顔真っ赤になってるぅ〜〜


「美奈が余りにもかわいくて、つい」


ドクンッ


し、心臓が、、、


「先輩、そういうのは本当に好きな人とやった方がいいですよ」


「え?」


「そんな事言われたら、、、勘違いしちゃうじゃないですか、、、」


私が誰かに求められているかもしれないって


私を、誰かが好きになってくれたかもしれないって


そんな、空想を夢見てしまう


「勘違いじゃないぞ」


え??


「俺は、美奈のことが、、、」



バシャン!!


気づいたら私は、大量の水をかぶっていた


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