腹黒王子様の溺愛が規格外。
悪夢
『アンタなんかいらないのよ』


散々そんなこと言われて生きてきたけど、私は強い方だと思う。

学校に行けば楽しいから、それだけで頑張って生きてきた。


だけど……時折、嫌な夢は見る。


今もそうだ



『お姉ちゃんって本当いらない子よね』

『お前って本当に役立たずだな』

『さっさと消えればいいのに』



苦しい……。



もう息もできなくなって、目を覚ました。


「はぁ、はぁ……」

「桜っ……」


大きくてふかふかなベッド。横には、大好きになった蓮くんがいた。

私の手を、大きな手で包み込んでくれている。


「蓮くん……?」

「近藤が様子見に来た時に、うなされてるって聞いたから……」

「もしかして、ずっとそばにいてくれたの?」

「うん、12時ぐらいからだけど」


少し目元にクマができていることに気がついた。


「ずっと、起きてたの……?」

「うん、寝れなくて」

「ご、ごめんなさいっ……私のせいで……」

「ちがうよ?僕元々不眠症なんだ。ここ最近全然寝られたないから平気」

「そ、そうなんだ……」


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