一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「麗!」

病院について、分娩準備室をガラっと開けた。

「塁もきたの!?」

「悪いかよ。」

「ありがと」
麗は珍しく素直にお礼を言った。

「ああ。麗。頑張れ」

俺は何も出来ないけどな。
ヒカリに言われるがまま慌てて来てしまった。

麗は、痛そうに顔を歪める。
頑張れ麗。

心の中で唱える事しかできない。

純平も心配そうに、麗を支えてる。

ヒカリの時に困らないように、何すれば良いのか見ておこ。

なんて、思ってる自分もなかなかだと思う。

「麗ー大丈夫かー?」
とりあえず聞いてみる。

「塁は黙ってて!!」

だよな。はいはい。

兄貴なんか、こんなもんよ。

純平と目が合う。
お互い苦笑いだ。

そんな俺たちに気づいた麗は、純平の事もギロっと睨んだ。

おいおい。

「麗。頑張れ」

純平は、そんな睨みなんかちっとも気にせず励ましてる。

偉いな。純平。



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