秘密のバイトの行く末は…愛され彼女!?【完】

第二話

先生は一人で私のバイト先へ行き、学園を名乗ったらしい。あながち間違ってもいないし嘘でもないけど、本当は公的でなく私的な行動だ。そして、校則違反なので続けられないと説明して、私の荷物を全て先生の部屋へ持ち帰ってきた。

私に課せられた仕事は皿洗い。食洗機がないから立派なバイトだと先生は言う。

あとは先生の頼み事があったらやればいいだけだと。膝枕は日課みたいだ。

その先生だが

「プライベートスペースで先生と呼ばれるのは無理。名前で呼べよ。間違ったらペナルティ」

と早々に言い放った。

「ペナルティとは、どんなペナルティですか?」
「その敬語も無理だが1週間は我慢してやる。そのあとは敬語もペナルティな」
「なんだか……」
「言いたいことは言えよ」
「………おーぼー」
「俺は茉里の雇い主で、住まいの提供者。でも俺は優しいからな。茉里もここに住むからには、言いたいことは言って、好きに過ごせばいい」

こうして厳しいのか、優しいのか分からない先生…桐斗さんとの生活が始まった。

住み込みバイトと比べて一番いいことは、バイト中に人目を気にしなくていいこと。

一番困ることは、眠るとき。

1LDKの間取りだから寝室がひとつなのだ。一緒に寝るのは無理だと先生の申し出を丁重にお断りすると、先生は薄いマットレスを出してきてベッド下で寝ると言う。

私が下でと言うと、毎日交代することになったんだけど…ん…ぅ…ハァ…どっちで寝ても朝にはこうしてベッドで先生に抱きしめられている。
< 9 / 43 >

この作品をシェア

pagetop