素直になれなくて

告白

「ひっく……ひっく……」


「お前、マジでだいじょーぶか?病院行くか?」


「ごめんなさい……。大丈夫です」


「敬語?w ま、大丈夫ならいいけど」


泣き止んだ私は、今大地の部屋にいる。


大地の部屋は全体的に青ベースの部屋。ちょっとごちゃっとしてる。


大地は私の目にティッシュを当てて涙を拭いてくれている。


こうやって、大地がたまに覗かせる優しい一面が………。








「好き」








私は何のためらいもなく、サラリと口に出していた。


「お前、今……!す、好きって………!」


大地はもちろん、顔を真っ赤にして私を見つめていた。


「うん」


私は顔を赤くして答える。


大地は「オイ」と言ってきた。


な、何?





「ひょっとして、その告白も噓なんじゃねえのか?」





え?あ、そういうこと。


さっきから騙されてばっかりだし、今日はエイプリルフールだから、この告白もひょっとして嘘なんじゃないかと疑ってるんでしょ。


「違うよ、本当」


「えー?怪しいな~」


大地は親指と人差し指でマルを作って目にかざして、探偵の虫眼鏡みたいにしてる。


私が「もう!」とほっぺを膨らますと、大地はアワアワして、




「あぁ、疑って悪かったよ!俺も好き!」


と言った。




ん?今なんて?


俺も好き?


おれもすき?


オレモスキ?


オレモスキ?


それってつまり………!







「大地も、私のこと、好きってこと?」







私がそう言うと、大地は照れくさそうにニッコリと笑う。


そして大地は私の唇を奪ったーーーー。
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