りつとるね
「うわっ」
下向いてブツブツ言いながら歩いてたら、何かにぶつかった。
顔上げて見たら、ゲッ。今一番会いたくない、ヤツだよ!

なぜか、こっち向いて仁王立ちしてる。腕組みして、不機嫌そうな顔。
「あ、ご、ごめーん」
ひょこっとすり抜けて逃げようとしたら、鞄をガッシとつかまれて、危うく後ろに倒れそうになった。

「ちょっと待て!」
「ひっ」
「おまえ、今日のアレは何だ!」
「ア、アレとは、何のことかしら?」
愛想笑いでごまかそうとしたがダメだった。
「手を抜くにも程がある。今から特訓してやるから来い!」
気づけばここは律の家の真ん前だ。

そして私は有無を言わさず中に引きずり込まれた。
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