おマメなあたしに恋してください

演技の壁


「はぁ〜今日初めてだったから、緊張した〜」

って靴を下駄箱から出して、そう言っていると、

「あのっ!」って低いけど可愛い声が耳に入る

当たりを見渡すと「ごめんなさい、」って頭を下げるのは、今日渡された台本で、恋人役をやった

三上(みかみ)くんだった、あたしより女の子みたいな顔してて羨ましい、

首をブンブン横に振る

「あたしだって…」

「…僕のせいだよ」

「なんでそんなふうに言うの?」

って下を向く三上くんに言うと

「僕…いつもそうだから、前の養成所でも…上手くいかなくて…」

顔を少しあげて、落ち込む顔の三上くんが、あたしに
そう話した
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