全部口から出ていく(たすけて泣)。
今日はもう隠していたすきをなんど口にしたか分からない。



「(う,うぅぅ,ふっ,うわー~ん……)」

「ちょっえっ霧香?!?」



キャパオーバーな頭が,更なる混乱を連れてくる。



「霧香,大丈夫だから,落ち着いて」



ベッドに誘導し,隣に座らせてくれた。

ぽんぽんと背中をさすられて,あまりの優しさを受け止める準備がない。



(今優しくするのはやめて)
「優しい格好いいなんでなの」

「(口から全部出ていく。嘘も誤魔化しもできない。恥ずかしい。なんで)」



泣きじゃくる私の言葉を聞いて,夜恵はぴたりと動きを止めた。



「どういうこと?」

「(わかっ……らない。さっき夜恵の声で起きたときから,おかしいの。否定したいのに,本音が全部出ていくの)」



でも,信じてくれないと思う。



「(嘘みたいだと思う。でも,ほんとなの。私,嘘なんかついてないのに)」

「……うん,分かった。信じるから泣かないで。霧香は人前で泣いたりしないもん,大丈夫,信じるから」



ぽんっと強く背中を叩かれて,私はほっと夜恵の胸に寄りかかった。



「霧香,ぎゅってしてもいい?」



……え?

(だめ,だめだけど)
「ちょ,と。なら」



なんのいたずらかと思ったのに,夜恵は言葉通り私を数秒抱き締める。

知らない温もりに,私は目をぱちぱちと瞬いた。
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