推しの人
ナオユキは、勇気を出して、劇場で「お茶を飲みに行きませんか?」とダンサーの女に言ったが、駄目だった。
 「忙しいからすみません」とあっさり言った。
 数日、ナオユキは、気持ちが凹んでいた。
 ナオユキは、劇場の日のことを忘れていた。
 ナオユキは、いつも動画で、ダンサーのマユミが、何となく良いと思った。
 素朴な顔立ちだが、どこかどこか、会ったかのような感じを与える印象だった。
 いつも、新宿駅の近所の劇団で、活動をしているとホームページで知っていた。
 ナオユキは、音楽を聴いていた。
 96猫『be crazy for me』を聴いていた。
 外からトラックの音が聞こえた。どうも引っ越し屋さんが、来たらしい。
 数分が経過して、ピンポーンと部屋のチャイムが鳴った。
 「はい」とナオユキは、部屋のドアを開けたら、そこに、ダンサーのマユミがいた。
 ナオユキは、「こんにちわ」と言った。
 マユミは、「あの」「はい」「こんにちわ」「ええ」「こちらに住んでいたのですね」とマユミは、トレーナーに黒のパンツスタイルの格好で言った。
 ナオユキもマユミも、お互い、びっくりしていた。
 焦ったナオユキは、「世間は狭い」と思った。
 そして、いつもブログで観ていた彼女、ダンサーのマユミが、隣の部屋の住人になったことに驚いた。
 そして、マユミは、少しだけ、指原莉乃に似ていた。
 頑張ってアイドルになれないか、とナオユキは、思った。
 目の前に、推しているダンサーの女性が、いる。
 だが、こんなハイツに来たのは、一生に一度あるかないか、とナオユキは、感じた。
 そして、夕方になり、隣の部屋へ行った。
「すみません」
「はい」
「こちら、今日の差し入れです」
「ええ」
「良かったらどうぞ」
 その内、マユミとナオユキは、隣の部屋同士だったが、付き合い始めた。
 そして、時々、ナオユキは、隣の部屋へ行って、夕ご飯を、マユミとよく一緒に食べた。
 マユミは、怪我をして、ダンサーを辞めた。
 その後、すったもんだがあって、マユミは、ダンススクールの講師になった。
 マユミは、ナオユキと一緒にいたら、気が楽だった。
 そもそも、前のカレシは、間違いがあっても許してくれなかった。
 しかし、ナオユキは、大らかな男だった。ナオユキは、振ってしまった男だが、一緒にいて、安心感があった。
 最後は、二人は一つの家で生活をしたのだった。<完>

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