塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
備えあれば憂いなし。ちゃんと幸せは無条件に長く続かないとあらかじめ自分を戒めておこう。
いつか別れることになっても、きっと自分はこの思い出だけで孤独死するその日まで頑張れる──そんなことを考えていたら涙が滲んだ。
「どした?」
急に涙ぐんだひなたの頬にたすくが優しくキスをした。
普段は超絶冷たくて、そっけなくて、傲慢で冷酷なたすくが最近めっきり優しくなった。二人きりだと声まで甘い。
一体これはなんなんだと思う。優しくされたり、幸せだったりすると謎の罪悪感とこれはなにかの間違いだと心が不安のアラームを出す。
不安になるのも当然だ。今が幸せの絶頂なら落ちるしかない。もし別れたら奈落の底まで落ちてしまう。
「な、なんか幸せだなって。でも怖くて」
「なんで幸せが怖いんだよ」