早く素直になればよかった

日常

「キーンコンカーンコーン」


今日も長かった授業が終わり、私は部活に行こうと席を立つ。


みんながおしゃべりをしてる間に荷物をまとめて、教室を出る。


早く部室に行こうと足を早める。


「文芸部」とピンクできらきらなタペストリーがかかっている空き教室にたどり着いた。


私はいつも一番なので、当然ながら誰もおらず、私は荷物を廊下の隅に置いて職員室に鍵を取りに行く。


ノック2回、静かにドアを開ける、失礼します。に続いて、学年、組、名前、要件を言う。


染みついた動きを毎日のように繰り返す。


部室に戻り、鍵を開け、窓を全開にして下の運動部を眺める。


「いた...。」


私はグラウンドのほぼ中央にいるひとりの男子に目をとめる。


春だけど、まだ寒いというのに半袖半ズボン、もうアップは終わったのか、私があげたタオルで額をぬぐっている。


テニス部部長で一応私の彼氏・木村蓮(きむられん)


私が手を振っても、残念ながら気づかない。


でもこれが学校終わりの私の楽しみ。


さすがに寒いので窓を閉めると、後ろから喋り声聞こえた。
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