【マンガシナリオ】優しくない推しの"熱愛報道相手"に選ばれました!?

5話

~4話の振り返り~
○学校 • 空き教室

リウ「お前、姉貴の代わりに俺の熱愛報道相手になれ」
桜「は……?」

桜(推し、Look for your.のリウ様の熱愛報道相手に、なぜか私が選ばれてしまい、)


○風沼家•門前
桜「え……」

 そびえ立つ豪華な門。広い庭。そして豪邸が奥に見える。

桜「ここがリウの実家?」

桜(リウの母親に会うことになった私、花上桜)

○同•リビング

 長テーブルに座っているカチンコチンの桜。

桜(お母様はあの超有名女優風沼ユイナさんで、毒舌が怖いと思ってたけど、)

ユイナ「こんな可愛い子がいるならもっと早く連れてきて欲しかったわ~」

桜(全然そんなこともなく優しかった。が、)

○同•寝室

ユイナ「あなたが今助けを求めようとしているものはこれかしら?」

 目の前にGPS を出される。

ユイナ「あら~手が滑っちゃったっ」

 手で潰す。

桜(とんでもないお母様だった)

ガシャンッ!!というすごい音がして、寝室の窓ガラスが割れる。

桜(でもリウが来てくれて間一髪で救出)

リウ「桜から離れろ」

桜(最後はお姫様抱っこでハッピーエンド♪のはすが……)

リウが桜をお姫様抱っこする。

~振り返り終わり~


○シェアハウス•桜の部屋(夕方)

 お姫様抱っこでベットに寝かす。
 リウはベットの端に座る。

桜(結局ずっとお姫様抱っこのまま運ばれた)

リウ「寝たりして少しゆっくり休め」
桜「ありがとう」
リウ「手、大丈夫か?」
桜「あ、うん。大丈夫」
リウ「そうか」
桜「うん」

 そのまま座り続けるリウ。

桜(え?なんで動かないの?っていうかもしかして、私のこと心配してる?)
 (よしちょっといたずらしてみよ)

桜「あの」
リウ「なに」
桜「1人で寝るの怖いから、側にいて、欲しい」

 桜(わーー言っちゃった言っちゃった!恥ずかしい。ま、どうせいなくなっちゃうんだろうけど)

リウ「……」
桜「なーんて」
リウ「いいよ」
桜「え?」
リウ「側にいてやる」
桜「……マジですか」
リウ「もっとベットつめろ」
桜「あ、ごめん」

桜(まさか本当に一緒に寝てくれるとは。夢が叶っちゃったな)

 一緒に寝る2人。

リウ「襲うなよ」
桜「は!?んなわけないでしょ!」
リウ「嘘にきまってんだろ」
桜「そうやってすぐおちょくる」
リウ「楽しいからな」
桜「最低」

 部屋の扉が開く。
 隙間から目が4つ見える。

桜「わっ!」
リウ「お前らなにやってんだ」

 ドアが開き、碧と優心が入ってくる。

優心「2人で昼寝とかずるくないー?僕らもいれて♪」
碧「そうだそうだ入れろ」
リウ「無理。4人は入らない」
優心「そんなの」

 桜の横に寝る優心。

桜「私の隣!?」

 ちゃっかりリウの横に寝ている碧。
 ぎゅうぎゅうで、リウの肩に桜の肩がぶつかっている。

優心「はい寝れた」
桜「これかなり無理ありませんか」
優心「そう?温かくて気持ちいじゃん。あ、ほら碧なんてもう寝てる」
桜「早」
リウ「お前らも黙って寝ろ」
優心「はーい。おやすみー」
桜「お休みなさい」

 みんな目を瞑っているが、桜だけ開けている。

桜(こんな状況で寝れるわけない)

 リウが桜の方に寝返りを打つ。

桜(わわわ!近いっ)

 リウが目を開ける。

リウ「早く寝ろ」
桜「ね、寝れない」
リウ「目瞑ってれば寝れるだろ」
桜「そうかな」
リウ「あぁ」

 桜、目を瞑る。
 その顔をじっと見ているリウ。


 数時間が立つ。
 桜が目を開ける。

桜「んん…あれいつの間にか寝てた」

 ベットには誰もいない。

桜(みんなどこに行っちゃったのかな)

 窓の外から騒ぐ声が聞こえる。
 桜が起き上がり窓から下を覗くと、バルコニーでバーベキューの準備をするリウと優心が。

桜(楽しそう)

 ドアが開き、碧が入ってくる。

碧「起きた」
桜「あ、うんおはよ。じゃないよ!あの薬はどういうつもり!?」
碧「あー」
桜「あーじゃないよ!もう本当に大変だったんだからね!」
碧「だってリウを取られたくないし。なのに結局お姫様抱っこされてるし」 

 碧がお姫様抱っこしている2人を陰から見て、爪を噛んでいる4話最後の回想。

桜「え?見てたの?」
碧「リウは僕のだ。誰にも渡したくない。勿論桜にも」
桜「私は別に……推しとしてみてるし…」
碧「じゃあこれ以上近づかないでくれるよね。所詮リウにとって桜はただの"婚約者のフリをしてくれる都合の良いやつ"なんだよ」
桜「それは、分かってるよ」
碧「ほんとかなー?」
桜「う、ん」
碧「ま、ならいいんだけど。どうせリウは振り向いてくれないと思うよ。昔からずっと好きなやついるし」
桜「え?」

 部屋を出ていく碧。

桜(リウの好きな人……)



○同•バルコニー(夜)

 リウと優心が具材を焼いている。
 戻ってくれる碧。

リウ「アイツは?」
碧「あーまだ寝てた」
リウ「そうか」
優心「で、リウどうなの?」
リウ「なにが」
優心「ぶっちゃけ、桜ちゃんのこと好きなんじゃない?」
リウ「好き?なわけ」
優心「えー絶対嘘だー。ね、碧」
碧「……人の恋愛なんて知るか」
優心「おぉ相変わらずドライ」
リウ「野菜全部頼んだ」

 エプロンを外し、階段を上っていく。

優心「あー逃げた~」

 後ろ姿を見つめる碧。



○同•桜の部屋

 窓から下を見ながら考え込んでいる。

桜「都合の良いやつ、かぁ」

桜(そんなの分かってたのにいざ言葉にして人から言われるとキツいな。それに)

桜「好きな人、いるのか……。ま、そりゃいるか」

桜(はぁ。辛い)

 リウがエプロンを脱ぎ、こっちにくる様子が見える。

桜「え!?くる!?」

 慌てて布団に潜り込む。

 リウが入ってくる。

リウ「おい、いい加減起きろ」

桜(今はなんだか話したくないな)

 リウが布団を剥がす。

桜「わっ」
リウ「寝たフリやめろ」
桜「ごめんなさい」
リウ「降りてこないの?」
桜「いや、行く行く!もうはらぺこ!」

 ベットから起き上がる桜の手を掴んで、ベットに座るリウの膝に桜の頭をのせる。
 頭を優しく撫でながら、

桜「!?」
リウ「怖い夢見たときはこれだろ」
桜「んん?」
リウ「怖い夢を見た時、姉がこうすると落ち着くって言ってしてくれたから」
桜「へぇ」

桜(なんと素晴らしいお姉さまだ!!ありがとうございます!)

リウ「どんな夢見たの」
桜「あーうーん、えと」

桜(見てないなんて言えない!)

桜「リウがどこかに言っちゃう夢、かな?」
リウ「なんだそれ」
桜「あはは」
リウ「俺はどこにも行かないよ」
桜「ほんとかなー?」
リウ「あぁ」
桜「ならいいんだけどね」
リウ「お前こそ離れんなよ」
桜「え?私は離れないよ?」
リウ「ならいい。ほら、皆とこ行くぞ」
桜「うん!」

 階段を降りていく2人。

桜(このときの私はまだ知らなかった)
 (まさか自分からリウのもとを去ることになるなんて)

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