濁った僕を抱きしめて
「母親といいあの子といい、璃恋の周りはよく喋る人ばっかだな」
「だからですかね、わたし無口に育っちゃって」
「意外と喋ってるけどな」


離れていた手がまた繋がれる。


ふわりとした雪が空から落ちてきた。


まるでドラマのように、美しい景色がわたし達を包み込む。


拓海くんの耳が少し赤かった。
それは寒さのせいなのか、何かに照れているのか。


どっちなのか分からないけど、寒さのせいにしておこう。


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