どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「ごめん。今は、幸せになれよとは、言えない」
 「陽先輩に、こうして会えて良かった…陽先輩との事はいい思い出だったと、思えるようになった…凄く幸せな時間だったと」

 陽先輩は、真剣な眼差しで私を見つめ、小さく深呼吸をした。
 「咲羅…これだけは覚えていて欲しい。もし、彼が咲羅を泣かせたら、俺は迷いなく咲羅を奪う」

 陽先輩…

 私のことを思ってくれても、すれ違う運命は避けられなかった。

 初めて知った人を愛する喜び、そして、失うことの悲しみ。
 陽先輩との思い出は、ずっと心の奥にしまっておくから…

 「愛してくれて、ありがとうございました」
 私はそれだけ告げると、鞄を持って頭を下げて、部屋を出た。
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