結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

 仕事内ならまだしも、個人的な予定なのにどうして殿下に却下されなくちゃいけないのよ。
 関係ないじゃない! ……って言いたいけど我慢よ。
 
 ここで反抗したら、殿下はどんな手を使ってでも私の夜会行きを邪魔してくるに決まってるもの。
 とりあえず、今は素直に受け入れるのが正解だわ。


 
「わかりました」

 
 私の返事を聞いて、ジョシュア殿下は眉をピクッと反応させた。

 
「随分と素直だね。セアラ?」
 
「殿下の意見に従っただけですわ。うふふ……」


 
 うう。なんだか疑ってる目だわ。
 でも、夜会に行くためには絶対に隠し通さなくちゃ!
 殿下にバレないように、顔を隠せる仮面舞踏会のある日まで待って、素性を隠して参加するとしましょう。
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