結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

 さっきも『2人で仲良く』って強調していたし、なんか変ね。
 これじゃあ、まるで……。



 ふと頭に浮かんだ言葉。
 深く考えることなく、私はそれを口に出してしまった。


「ヤキモチ……ですか?」

「…………は?」


 ジョシュア殿下の黄金の瞳がまん丸くなる。
 いつもはすぐに言い返してくるはずの殿下が、思考停止したかのように動かなくなってしまった。



 あっ! 思わず言っちゃったわ!
 殿下が私を本当に好きなのか、まだハッキリしてないのに!



「何を……言って……」

「もっ、申し訳ございま──」


 そこまで言ったとき、ジョシュア殿下の顔がカアアーーッとみるみる赤くなっていった。
 動揺した表情も、真っ赤な顔も、初めて見る。



 え……?


< 222 / 318 >

この作品をシェア

pagetop