結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

34 ジョシュア殿下だって素敵でしょ!?


「どうしてそんな……! ただ2人で会っていただけで」

「抱き合えるほど近い距離にいて、イチャイチャしてたって聞きましたが」

「イチャイチャ!?」


 周りに聞こえないように気を使ってくれているのか、耳打ちするようにこっそりと話してくるドロシー。
 しかし、私が大声を出してしまっては意味がない。

「シーー!」と言いながら、ドロシーが慌てて私の口を塞ぐ。



 距離が近かったって、まさかあの写真を取り合っていたときの話かしら!?
 たしかにあのときは距離が近かったかもしれないけど、抱き合うとかそんな感じでは全然なかったのに!



 あの攻防をイチャイチャしていると見られていたことに、軽くショックを受ける。


「今までセアラ秘書官が男性と仲良くしているところなんて見なかったものですから、みんな婚約者なのではないかと噂しているんです」



 ……なるほど。
 って納得できてしまうのも切ないわね。


< 231 / 318 >

この作品をシェア

pagetop