結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

「セアラには近づくな……って顔に書いてあった」

「…………」


 フレッド王子はクスッと小さく笑いながら言った。
 すぐに否定したいところだけど、うまく言葉が出てこない。
 
 だって、ジョシュア殿下ならあのときそんなことを思っていたとしてもおかしくないからだ。


「あの、そのこと他の方には……」

「言わないよ。セアラの木登りの話もしない」

「……ありがとうございます」



 木登りの写真のこと、すっかり忘れてたわ……。
 あとでお姉様に文句を言わないと。



 フレッド王子は一度グッと背筋を伸ばしたあとに、フーーッと息を吐いて椅子の背もたれに寄りかかった。
 かなりリラックスした様子だ。


「この前話した、セアラに一目惚れしたって話。覚えてるか?」

「……はい」

「あれ、本当はよくわからないって言ったけど、やっぱり当たってるかもしれない」



 ……え?


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