心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 グレイはマリアの頭から手を離し、真面目な顔に戻った。


「もう一つ聞いていいか。イザベラがなぜマリアに手を上げるのか、その理由はわかるのか? 何か言われたりしてないか?」

「……マリアが悪い子だから」

「悪い子?」

「マリアは悪魔の子で、マリアがあの人の人生をめちゃくちゃにしちゃったから……」

「……そうか」


 グレイの表情は変わらなかったが、少しだけ視線を下に向けた。
 マリアは『悪魔』がなんのことなのか知らなかったが、悪いものだということは感じ取っていた。

 こんなことを言って、グレイにも同じように……悪魔の子だと思われてしまうかもしれないと不安になる。
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