心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 それから数日後、レオがまたグレイの家に泊まりに来た。
 目的はもちろんマリアに会うためである。


「昨日完全に月が隠れただろ? 今日だってまだ月は出てない。聖女は月が隠れると力を使えないというけど、本当なのかなぁ?」


 レオは部屋の窓から真っ暗な夜空を見上げて、独り言をつぶやいている。

 正確には独り言ではなくグレイに話しかけているのだが、考え事をしているグレイはずっとレオを無視していた。


「今日大怪我しても治してもらえないってことだから、気をつけないとだよね。まぁ今から怪我なんてしないと思うけど」

「…………」

「力が使えないってことは、今日はマリアは誰とも会わずに1人なのかな。早く行ってあげたほうがいいんじゃない?」

「…………」

「ちょっと聞いてる!? グレイ!」
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