心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
くそっ。この男の存在が頭から抜けていた。
スピード勝負で飛び込めば、まだ勝機はあるか?
「主人を守るというのであれば、私も参戦いたしましょう」
「!! ……ガイル!」
「ガイル様!?」
別邸の扉が開いた音などしなかったのに、いつの間にかグレイの横にはガイルが立っていた。
自分の上司でもあるガイルの登場に、キーズはあきらかに焦っている。
グレイは、ガイルの登場に内心少し安心したものの、すぐにその年配の身体を見てガッカリした。
ガイルよりはまだ自分のほうが強そうだと思ったからだ。
「ガイル様がなぜここに!? まさか、ガイル様もご存知なのですか?」
「私に知らぬことなどないが?」
慌てているキーズに対しても、ガイルは怒ったりもなく落ち着いた様子で答えている。
その落ち着きようが、逆にキーズをより不安にさせていた。