心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

35 聖女の正装姿が可愛い件


 その日、マリアは朝早くに起こされた。

 なぜか起きてすぐに風呂に入れられる。
 何種類かの花びらが浮かぶ湯船はとてもいい香りが漂っていて、マリアの身体にその香りを染み込ませているようであった。

 食事は軽く自室で済ませ、エミリーだけでなく数人のメイドに囲まれて髪やら肌やらをいじられている。

 普段の髪飾りはリボンが多かったが、今ドレッサーの前に並べられている髪飾りは全てキラキラと輝く宝石がついた高級そうな物ばかりだ。



 もしかして、マリアがこれをつけるの?



 初めて見るドレス用のアクセサリーに、マリアは胸を高鳴らせていた。

 メイド達はマリアの長い髪の毛を綺麗に編み込みながらまとめていく。
 所々に小さな生花を差し込んでいるので、髪がとても華やかになっている。


「さぁ、マリア様。こちらへどうぞ」
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