心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「それではエドワード様、マリア様のエスコートをお願いいたします」
中庭に到着するなり、執事がエドワード王子にそう告げてその場を離れようとしたので、王子は慌てて執事の腕を掴まえて小声で文句を言った。
「なんで2人にさせるんだ!? お前もここにいろ!」
「陛下が2人で過ごされますようおっしゃっておりましたので、私どもは少し離れた場所から見守っております」
「ダメだ! ここにいろ!」
「……エドワード様。それでは陛下にあとで叱られてしまい……」
「ああもうっ! わかったよ!!」
2人が言い合いしているのを、マリアはポカンと眺めていた。
マリアと同じ7歳だと言っていたエドワード王子は、小さなマリアに比べて10cmほど背が高い。
サラサラの金髪を風になびかせていて、絵本で見た王子様にそっくりだとマリアは思った。
……でもなんでこの王子様はこんなに怒っているの?