心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
43 魔王降臨
「簡潔に言うと、処罰はまだ決まっていない。あの女もキーズもな」
「そうなんだ。じゃあなんで会わせてもらえなかったの? せっかく王宮に行ったのに」
レオの質問に、グレイは不機嫌そうに目を細めた。
それではまるでグレイが母に会いたがっているような言い方である。
イザベラと会えなくて残念などという気持ちはグレイには微塵もない。
少しイラッとしたグレイは、机に中指をトントンと強く当てながら話を続けた。
「今はあの2人には面会禁止令が出されている。ゴミ掃除の対象者が全員わかるまでは、たとえ家族だろうが会わせないんだとさ」
「ゴミ掃除の対象者……って何それ?」
「マリアの治癒を受けて、長年王宮に隠していた貴族達のことさ」
グレイがニヤリと笑いながら答える。
13歳とは思えないブラックな悪人顔に、レオは背筋がゾッとした。