君がいない
朝――。
ふわりと漂う、コーヒーの香り。
ゆっくりと目を開けると、そこにはお日様のような笑顔の君。
「どうした? 泣いていたけど……怖い夢でも見た?」
「――うん。すごく怖い夢を見たんだ」
初めて見た、君と別れる夢。
君が、あたしの知らない誰かと幸せになる夢。
あたしは、君のことが大好きだから……。
君を失うことがとても怖い、と、夢から目覚めてはっきりと分かった。
だからあたしは、君との関係を少しずつ変えていこうと思ったんだ。
「ねぇ、涼ちゃん……」