るーてぃん



「……」


「友香? 終わったよ」


「もう終わり? 早くない?」


「あ、布団びしょびしょじゃん!」


「ほんとだ」


濡れた布団を二人で囲む。


「玲央? お風呂入ったのー?」


階段を登るお母さんの足音が段々と近づいてくる。


「え、お母さん! やば! 怒られる!」


同じく足音に気づいた友香が慌てて濡れた布団を隠そうとしているけど間に合わず、


「玲央? 入るよ」


ドアが開いてエプロン姿のお母さんが部屋に入ってきた。


「友香、またお兄ちゃんの部屋にいるの?……って、その布団どうしたの? もしかしてまたやったの?」


「ごめんなさい。ちゃんと乾かすから許して?」


「いつも言ってるでしょ。これからは布団の上でやるのはやめなさい。あと、髪の毛濡れたままでいたら湯冷めするでしょ」


「とりあえず、布団は俺がやっとくから髪乾かしてこいよ」


友香は結んでいたヘアゴムをほどいてあげると、すごすごとドライヤーの元へ向かった。


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