四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

そのくちばしに愛はささやけない

「おーいっ!かいちゃーん!」

翌日の放課後。
久しぶりに四人で遊ぼうよってことになって、海斗さんが学園まで迎えに来てくれた。

海斗さんに向かって大声で手を振る皐月くんを四季くんは止めたけれど、
もうみんなに注目されている。

私は恥ずかしくて足早に海斗さんの車に乗り込んだ。

「海斗さん、お久しぶりです」

「うん。元気だった?」

「って言ってもそんなに時間経ってないですけどね」

「そうだよね。四季とは相変わらず?」

「…おかげさまで」

「んー?気になる間だなぁ」

四季くんと皐月くんも車に乗り込んできたから、
「なんでもないですよ」って言って誤魔化した。

海斗さんの車が四季くんのおうちに着いたときだった。

「ゲ…」

四季くんがスマホを見ながら溜め息をついた。

「しーちゃん、どうかしたー?」

「父さんが講義で使う資料、うちに起きっぱなしだから持ってきてくれって」

「おじさんの大学、隣町だろ?送ってく」

「…いや、まだ時間あるみたいだし電車で行く。海斗と皐月はシュリと待ってて」

「車のほうがお前がラクだろ?」

「大丈夫だから。頼むからシュリと居てあげて」

「………分かった」

「それかみんなでいくー?そのほうが楽しくない?」

「いーから!ここで待ってて!」

「ちぇー」

私達はおうちに入って、
四季くんはお父さんの書斎から資料が入った大きい封筒みたいな物を持って、また出ていった。
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