四人の旦那様〜結婚してください〜
とはいえ、こんな大きなことをみんなに隠していたのは悪いことだと思う。私はみんなに頭を下げ、「ごめん」と謝った。

「大事なこと、隠しててごめん。多重婚って聞いたら戸惑うだろうなと思って言えなかったんだ」

「まあ、確かにこんなこと言いづらいよね」

友達はみんな納得してくれて、ホッとする。友達の一人が笑いながら言った。

「今度家に行っていい?イケメン旦那さん見てみたい!」

一人がそう言うと、「目の保養!」と言いながら全員が手を挙げ、私は慌てて「まだ正式な夫婦じゃないから!」と慌てて言う。でも胸の内側は安堵と喜びで満ちていた。



友達に事情を話して数日、私はいつものように学校に行き、健吾さんたちと暮らす家へと帰っていた。でもその途中で足を止める。

「あっ、煮干し買い忘れてた」

我が家では出汁は煮干しやカツオ節で取るようにしている。その煮干しがもうなくなりそうだったのを思い出した。まあ、市販の出汁でも充分おいしいけどね。
< 37 / 45 >

この作品をシェア

pagetop