君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜



「詩春ちゃん、寄せ書き書いてー」



卒業式が終わり、最後のホームルームも終わった廊下はアルバムに寄せ書きを書き合う生徒で溢れていた。


あまり話したことのないクラスメイトですら、会うのも最後だしせっかくだからとお願いをしてくる。


私もその輪に混ざりながら、頭は全く別のことを考えていた。



早く二年生の教室に行かないと、小山内くんが帰ってしまう。


最後の日くらいは一歩勇気を踏み出して、寄せ書きを書いてもらいたい。それに…。



「詩春ちゃん、それ終わったら次私のも…」


「ごめん!ちょっと行きたいところあって…戻ってきたら書くね」



卒業アルバムを落とさないようにしっかりと胸に抱え、人の波から抜け出す。
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