一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。



「そっか、」



何とも思ってない風を装って返事をする。


めちゃくちゃ安心して、頬が緩んだのは秘密にしておく。



「ま、先輩はトーゼン彼氏いませんよね」


「と、当然とは失礼な…!!」



だめだな、私。浮かれてるかも。



自分の気持ちを自覚してから、悧來が隣にいることがめちゃくちゃ嬉しいって思ってるから。




*
.



「悧來、次あれ乗ろー?」


「いや、ちょっと、もう無理……」




あれから、なんと遊園地に来た私たち。


始めから結構強烈なジェットコースターに乗ったんだけど。



「あははっ、まさか言い出した本人が撃沈してるとか……っ」


「笑わないでくださいよ……」



笑いが止まらない私に、恥ずかしそうにそっぽを向きながら水をごくごくと飲む悧來。



こんな状況になったのは、少し前。




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