4月1日、24時。

3月8日・侑莉

3月8日。

卒業式の予行演習で、三年生は体育館に集まってた。

『明日で卒業なんて信じられないね』
『なんか意外とさみしくないかも』
『実感わいてないだけじゃない?』

みんなでそんなことを言ってるうちに、昼休み前に予行演習は終了。

『黄瀬さん、ちょっと手伝ってもらえる?』

先生に呼ばれて追加でイスを出すのを手伝ったから、わたしはみんなよりも遅れて教室に戻ることになった。

『ほんと明日で最後なんて感じ、全然しないかも』なんて思いながら、昼休みになっちゃった渡り廊下を歩く。

ふと、人の気配を感じた気がして、中庭を見る。

背が高いから臣の後ろ姿だってすぐに気づいた。

『え』
思わず小さく声をもらす。

臣の背中に女の子の腕がまわされたから。

背中ごしに、少しだけ顔が見えた。

よく臣と一緒にいる二年の子。

心臓がバクバクしちゃって、見たくなくて、急いで教室に戻った。
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