わがままな気持ち
「早く結婚したい」
あなたの口癖
「頑張ってください!先生ならすぐできますよ」
一体何回このやり取りをしただろう
あなたは私の気持ちに決して気づかない

幸せになってほしい
笑っていてほしい
あなたの隣に立てないなら、後ろから背中を押すから
そのまま振り返らずに歩いて
私はまだ動けないから

落ち込んだとき、私にできることはありますか
「先生のこと尊敬してますよ!この前だって、、、」
いくら言葉を紡いでもあなたの心に届かない
虚しくてもそれしかできなくて
無力な自分が嫌いになった

自分でも形を捉えられない歪な流動体
あなたに晒すつもりなんてなかった
あなたが喜んでくれることだけしたい
それでも、あなたの心に触れるにはこれしかなかった
「先生、好きです
 子供みたいに笑うところ
 気配りできるのにそれを表に出さないところ
 目を見て挨拶してくれるところ
 少し霞がかかったような落ち着く声
 、、、あとは、、、っ
 どんな話もっ、今みたいに、、、
 真剣に向き合って答えを出そうとしてくれるところ」
ずっと押し殺していたのに、一度口に出すと止まらなかった

あなたは同じ気持ちじゃなくていいの
この何の役にも立たないと思ってた気持ちが
あなたの自信につながるなら
私があなたにできるたった一つのプレゼント

優しいあなたは困った顔をするね
そんな顔させたいわけじゃない
ただ、笑って「ありがとう」
それでいいんだよ
都合が良くても大事じゃなくてもいいから
私は幸せだよ

笑わせたいのに
幸せにしたいのに
あなたの隣にはやっぱり立てないから、あなたに背を向ける
そのまま振り返らずに歩いて
泣き崩れる背中に気づかないまま


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