ぼっち美少女の桜井さんは、無口な久我くんに癒される

 あ……もう来てる……!



 窓際1番後ろ。私の隣の席に座る、久我奏太くんは今朝も1人で黙々と本を読んでいる。

 静かに近づいて自分の椅子を引くと、その音で私が来たことに気づいた久我くん。


「あ。桜井さん、おはよう」

「お、おはよう……」


 それだけ言うと、久我くんはすぐに本に視線を戻してしまった。



 私の隣の席になった男子は、自分のことをずっと語ってくるか、私に質問をしまくってくるか、顔を真っ赤にして無言のままチラチラ見てくるかのどれかだったけど……久我くんは違う。



 私に必要以上に話しかけてはこないし、顔も赤くしない。

 授業中チラチラ見てくることもないし、隠し撮りしてくることもないし、物を盗んだりもしないし、不要なボディタッチもしてこない。

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