ぼっち美少女の桜井さんは、無口な久我くんに癒される
久我くんに借りるしかないけど……無理!! 無理無理無理!!!
恥ずかしくて声かけられない……どうしよう。
休み時間になっても借りられる友達なんていないし、授業終わったら先生に言って貸してもらうしかないな……。
消すことを諦めて間違えた部分に二重線を引いていると、久我くんがジッとこっちを見ていることに気づいた。
えっ!? な、何!?
私のプリントから視線を離した久我くんは、自分の消しゴムを持って小さな声で尋ねてきた。
「忘れたの? 俺のでいいなら使う?」
「え……あ、ありがとう」
受け取ろうと手を出すと、久我くんがそっと手のひらに消しゴムを置いてくれた。