日常を返せ!
「……玉木(たまき)剛毅(ごうき)。俺もこの場所に来た記憶がない」

 面倒臭そうに呟いて名乗ったが、これによって最悪なことが分かってしまった。

「え、じゃあ誰もここがどこか分からないし、助けを呼ぶ連絡手段がないってこと?」

「助けって、まるでココが危ないみたいなことを言ってるけど?」

「じゃあ、なんでわたしたちはどうしてここにいるのよ? 目が覚めたら知らない場所で、知らない人たちと一緒にいるなんて変よ」

 田山の言葉に石井が馬鹿にする態度を取るが、田山の次の質問に押し黙る。

「まるでドラマやゲームで観るようなデスゲームの導入みたいですね」

 植本がそう呟くと、玉木がハッと笑う。

「あんた、賢そうに見えたが、随分ユニークな冗談を言うんだな」

「あながち冗談でもないですよ。皆さん、自分の首元に違和感がありませんか?」

 玉木の嘲笑に植本が困った顔をしながら、自分の首元に指を刺す。

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