日常を返せ!

日常を返せ!

「ちょっと図々しいわよ」

「そうよ」

「あかね、桃香……」

 わたしを庇うように立つあかねと桃花に、他のクラスメイトと違ってわたしを守る為に『保護者』となってアプリに登録したんだと信じたかった。

 しかし、そんな期待はあっさりと裏切られた。

「明良はわたしたちの友達なんだから、わたしたちが先でしょ」

「そうよ。勝手に約束取り付けないでよ」

「……え?」

 そう言ってわたしを見る二人の目は爛々としていた。

 二人に気付いた主催者は、思い出したかのように手を叩いた。

「あ、思い出しました。あかね様と桃香様のサポートが良かったと視聴者様から好評でしたので、お二人には特別賞として『無知の子』生存ボーナスとは別に百万円ずつお渡しします」

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