日常を返せ!

束の間の休息

「みんなのとこに飲み物いったー?」

「うん。全員まわったよ」

「じゃあ、お疲れ様! 乾杯‼︎」

 カラオケ店の一室に事件メンバーが揃い、それぞれ飲み物を持ったコップを当てて、飲み始めた。

「はぁー、ここならゆっくり出来る」

「ほんとだな。マジで疲れる」

「何度も同じ事を言い続けないといけないし、うんざり」

「しかも星矢に色目を使ってくる奴もいるから、本当ムカつく!」

 石井がガンッと持っていたコップを机に叩きつけるように置いた。

 他の子も鬱憤が溜まっているのか、それぞれの愚痴を言っている。

「まあまあ、何か歌ってストレス発散すれば?」

 わたしがマイクを石井に差し出すと、機嫌を良くした石井がマイクを受け取り、中川に擦り寄った。

「そうする。星矢、一緒に歌おう?」

「しゃーねぇな。どれにする」

 タブレットを持ちながら中川と石井が選曲を始める。

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