日常を返せ!
 淡々と語るニュースキャスターの隣には現場であろう映像と、玉木の写真が映されている。

「嘘、どうして玉木が?」

 わたしがそう呟くと、スマホから着信が鳴り始めた。

 慌てて確認すると、そこに田山の名前が書かれていて、わたしはすぐに通話をオンにした。

「もしもし、田山?」

「ねえ、新田さん、ニュース見た⁉︎ 嘘だよね、玉木が死んだって……」

 わたしが尋ねると、田山は泣いているのか、上ずった声で聞いてきた。

「本当だと思うよ。これ全国ニュースだし」

 わたしが桃花のスマホのニュースを見ながら告げると、田山は声を上げてさらに泣き出した。

「何で? 昨日普通に話してたじゃん。それに頭を拳銃で撃たれたって」

「考えるだけでもキツイね」

 わたしの頭の中で仮面の男の死に顔が玉木にすり替わり、唇を噛みしめる。

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