日常を返せ!

田山のお願い

「そうね。新田さん、しばらく一緒に行動してくれない?」

「え、何でわたしが?」

 自分が指名されるとは思わなかったわたしは、素っ頓狂な声を上げた。

「新田さん。行動力があるから、いざという時頼りになりそうだから」

「しばらくってどう過ごせばいいの? 学校は違うし、住んでる場所も違うでしょ?」

「それならわたしのアパートに来ればいいわ。一人暮らしをしているから、わたしの家から学校に通えばいいから」

 名案と言わんばかりに田山がぐいぐいと話を進めていく。

「その提案、わたしにメリットはあるの?」

「最近、学校でも家でも休まらないじゃないの? 誰もが興味本位で事件について触れてくるから」

 渋るわたしに田山はそう尋ねてくる。

 確かに学校ではクラスメイトが、家では両親がわたしを腫物のように扱うので、心が休まる時間が少ない。

「……それは、田山の言う通りかも」

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