トライアングル・ワン

3

 昨日に引き続き、悶々と一人で突破口を考えたが、昼休みなっても良い案は出てこなかった。

 また視線が尾田くんの方へ引かれていく。今日は美香と麻衣子たちと一緒に居た。

 はぁ……避けられる理由を聞きたいけど聞けない、無理。それは何故か? 避けられているから。

 はぁ…………。

 美香達のところへ、肩まで伸びた黒髪を弾ませながらホンドウさんがやって来た。

「高橋くん、今度の英語のグループ発表、分担割どうする?」

「あ、忘れてた。どうすっかな……あれ、タケヤマ……いねぇ……あ~、俺、どこでもいいや。ホンドウさんとタケヤマで好きなところ選んでよ。余ったとこでいいからさ。タケヤマ見つけたらそう言っといてくんない?」

「うん。じゃ、わたしが先に見つけたら、高橋くんに伝えるね」

「よろしく~」

 黒い髪を弾ませながら去って行くホンドウさんを見て気がついた。

 そうだ、誰かに聞いてもらえばいいんだ。あ、でも、もともと美香に近い人とかは、もう見えない壁があるからダメだか……。

 教室内を見回したが、そんな事を頼める人は見当たらなかった。
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