❤️お前に惚れた~極道の一途すぎる愛
私は咄嗟に離れようとした。

すると、私の腰をぐっと引き寄せ、我妻さんの隣に座らせられた。

我妻さんは長い足を持て余しているように、足を組んだ。

「酒、作ってくれよ」
そう言って、私をじっと見つめた。

私はキスされた時が走馬灯のように蘇り、みるみる頬が熱ってくるのを感じた。

「嫌だわ、くるみちゃん、我妻さんが素敵だからって、顔が真っ赤よ」

「えっ」

私は自分の頬に手を当てて、熱い状態に余計に真っ赤になった。

我妻さんは私の腰に回した腕をさらにキュッと強めた。

(大丈夫、これだけ見た目が違うんだから、バレないよ)

「お酒作りますね、離してもらってもいいですか」

「このままがいいな」

我妻さんは私を抱き寄せ、さらに密着した。

私は手が震えて、心臓がドキドキしていた。

「どうぞ」

我妻さんは、私の作ったお酒を一気に飲み干した。

すると「ママ、くるみちゃんと二人にしてくれるかな」そう言って、周りを席から遠ざけた。

「あら、お気に召したのかしら、ごゆっくりどうぞ」
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