◇Clown Act◇⇧


イースの表情は動かない。



当たっているのか、外れているのか。



なにひとつ読み取らせてくれないけど、どこか確信があった。



私は迷わない。



絶対にこのカードだ。




「……変更は、ないね?」


「うん」




最終確認とも取れる質問に深くうなずいた。



このカードの表を見たら、私たちの関係性……いや、人生までもが一転してしまう瞬間を迎えるんだ。



このピエロは、勝つか負けるか、一体どちらを願っているのだろうか。



共に生きる


共に死ぬ



裏のない純粋な想いを、私に望んでいることだけは確かな真実。



すると、私と対峙していたふたつの双眸がゆっくり閉じられる。





「分かった。それでは、自身の目で確認してくれ」





滑らかに差し出されたそれを



そっと引き抜いた。











「祥、その口で教えて。

キミが選んだカードは──?」










くるり


一枚のトランプカードを半転させる。



私の目に映ったそのマークは──




























「♠(スペード)


私の勝ちだよ、イース」














< 297 / 340 >

この作品をシェア

pagetop