◇Clown Act◇⇧
「心というのは、無下にされたら傷付く」
「……」
「お兄ちゃんに傷を付けられた左手。その、まあるい血の跡が目に入っちゃったの」
赤の上を、親指の腹で優しくさする。
隆起しているのは、私が充てたハンカチだ。
「あんなに嫌がっていたのに……そのままなんだね、ハンカチ」
「忘れてただけだ……」
「そっか。まだ痛む?」
「……痛む、から、まだ外さない」
イースはうつむきがちに言い、ふいと視線をそらした。