アタシより強けりゃネ[完]
「そうよ、そうよっ。この人が異常なのよっ。3人相手にへっちゃらって異常ってい………」
「もう喋らない方がいいんじゃね?」
「邦親、やっさしー。でも…どうする?5対1なんて聞いたこともないけど…」

別に私はこの5人なら苦戦しないと思う。組織的なアタックが出来る相手ならムリ。でもこの5人はそうでもないからね。

「さゆみん一人にはさせない。俺が参戦する」

はっ?と思った私の気持ちが

「キャ~ッ」「きゃぁ~」「三井、いけぇ~」「きゃーぅ〜ん」
「サイッコー」「イケメンすぎってっ」「カッコよ」「キュンキュンッ」
「チカくーんっ」「やっば…」「尊すぎて逆につらっ…」
「星逢のビジュ勝ちっ」

ありとあらゆる励ましだろうか…によって、瞬時に否定された。

「5対2。どうですか、細谷ルミさん?」

やっぱり仕切っているのはナオキ兄か…

「あっ、返事が出来ないのはアンタも入って6対2が望みか?」

ギャラリーが湧いている中で、私はそっとクニチカの上着の袖を引っ張る。そして彼が少し身を屈めたので

「汚いチョンマゲとダサいピアス、クニチカがいって」

と耳元で伝えた。一人の方が動きやすいけど、こうなったら仕方がない。きぃちゃんたち調べで弱っちい二人をクニチカに任せる。

「さゆみんはまた3人…大丈夫か?」
「ん。クニチカは足を使えばいいよ。あの二人、無駄に大きく手を出すけど体ががら空きだから」
「了解」
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