アタシより強けりゃネ[完]
「何となく分かったけど、きぃちゃんは?」

俺がフミくんとさゆみんを見ると

「きぃちゃんはつるんでない人ってことじゃない?」
「その通り。あの人は別枠の有名人。そっか、そっか…中野さんがおじいちゃんだね?」
「車は全部うちが車検させてもらってるよ」

さゆみん、フミくん、おじちゃんが俺に言った。

「ってことは…アタシがここから迎えの電話しても、場所の説明は要らない?」
「要らない、要らない」
「ん」

ここでも通常運転のさゆみんはスマホを持つと

「今日はこの時間の迎えだとユキちゃんだと思う…あ、ユキちゃん、あのね…えっと…車検屋さんって分かる?」
“………”
「ん、フミくんって人の店」

と話すから可笑しい。店って…

「そ。クニチカと来た」
“………”
「ちょっと待ってね」

さゆみんはスマホをそのままに

「クニチカもフミくんも、そこのファミレス…ってどこかアタシは分からないけど…そこのファミレスで一緒に夕食食べる?ってユキちゃんが言ってる…あ、もしもしユキちゃん。ナオキも一緒なの。いいよね?」

とあっちにもこっちにも喋った。
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